高齢者の気持ち

高齢者の気持ち

 私事で申し訳ないのですが、8年前の9月、終電近い駅で転倒し、左膝の膝蓋骨(しつがいこつ:膝のお皿)を骨折しました。

 通常は縦か横かの二つに割れることが多いそうですが、私の場合は4つ以上粉々になっていたそうです。

 運良く(運が良ければ転んでない?)、ある整形外科の先生が当直していた病院に救急車で運ばれ、翌々日に手術になりました。

 1年後に、手術をその先生と一緒に担当して下さった別の先生から、衝撃の事実を聞かされました。

「○○先生が手術していなければ、一生歩けなかっただろう」と言われるほどひどい状態だったそうです。本当に運が良かったと思います。

 高齢の利用者さんが転倒して大腿骨など足を骨折して入院、手術し、リハビリし、退院して自宅に戻る…という方を、ケアマネとして数多く担当してきました。

 今回自分が入院、手術、リハビリを一通り経験したことで、利用者さんの気持ちが少しでも体感で理解できたのは良い経験になったな、と思いました。

 リハビリはとてもきつく、「普通の人がオリンピックを目指すための訓練」という例えを聞いたことがあります。自分がその身になり、よ~~~くその意味がわかりました。

 簡単に「リハビリ頑張って」と口にはできないなと思いました。

 また、歩けている高齢者が「痛くて歩けない」とよく口にしていることがあります。

 自分が骨折するまでは、「痛くても歩けているから大したことではない」と思っていました。

 わが身になり、「自分で歩くしかないから、痛くてもつらくても仕方なく頑張って歩いている」というのがよくわかり、今までの自分を反省しました。

 今では、関わって下さったみなさんのおかげで、100%ではないですが、走ったり正座したりもできるようになりました。本当に感謝しかありません。

 この経験を、ケアマネの仕事に生かしていきたいと改めて思いました。